スキーバス事故、coco壱番屋カツ事件と医療
最近の悲惨な悲しい長野県スキーバス事故。昔から、格安バス事故はありましたが、今回も事故要因の一つとして、格安賃金のしわ寄せか?との意見もあります。格安飛行機でのサービス、質の低下に起因する様々な事故、トラブルも後を断ちません。廃棄ビーフカツの横流し格安販売も格安スーパーの裏に隠された問題。様々な食品の産地偽装等共通して言えるのは、格安なのです。
吉野家、ユニクロの格安価格の犠牲として、労働者の格安賃金。これは、ブラック企業としてマスコミも手のひらを返したように叩きましたよね。最近では、ユニクロは、価格が上がり、吉野家も営業時間を変更していますよね。
医療現場でも数年前、格安レーシック事件がありました。滅菌が格安の代償となり、多くの方の視力が失われました。
需要と供給の円滑なサイクルには、適正な価格が必要なのです。
私は、物を買う時、迷ったら一番高い物にします。高いのにはそれなりの理由があるからだと思っています。生産者、製作者が、仕事に見合った価格をつけているからだと思い、それらの方の一番のオススメ、自信だと思って買います。周りの人からは、セレブとか金持ちとか言われることもありますが、贅沢品ではなく、良いものだと思っています。
私は、歯科医師であり、保険医でもあります。この保険が曲者で、最初に予算(価格)がくるのです。それを逆算するように処置、材料、等が決められていくのです。保険は、最低限度の治療と言うことが、法律でうたわれていますが、医療に最低限度も最高もないのです。常に最高でなくてはならないのです。
保険歯科治療の一番の代償として根管治療(根の治療)があります。保険ではほとんど上手くいっていません(約95%)その中の約50パーセントが5年以内に病巣や痛みがでてきます。またそうなったら保険では抜歯なのです。
北斗晶さんの乳がんの報道。これも最高の検診をしていたらどうだったでしよう。北斗さんの行ったのは、一般的な検査ではありますが、現在の最高レベルの検査ではありません。
医師は、常に最高の費用を気にしないような検査を患者に教える義務があると思います。保険ではできないからとか、うちにはないからとか、ではなく。
元プロボクサーの竹原さんの膀胱ガンも、何軒か病院を回り、どこも異常無しで結局末期ガンでした。保険医の医者は、いきすぎた検査、過剰な検査はしません。それは、社会保険支払基金や厚労省から目をつけられるからです。検査にやりすぎも何もないでしょう。必要と思うから検査を行うのです。日本のような保険診療王国で、保険だけに頼ったのでは、助かる命も助かりません。
自分の身を守るには、どこに価値を見出し、どこに投資するかです。保険に頼らず、いい医者を見つけることです。いい医者とは、費用ばかり気にするのではなく、最高レベルの検査、技術を提供してくれ、それに見合う費用を提示する医者だと思います。私はそのような歯科医師の1人になりたいと思っていますが、そのような医師も増えて欲しいと思います。