カボユニットの優れた点

カボユニットの他メーカーと比較した場合の優れた点

当院は、国産ユニットM社3台で、平成7年に開業し、1年後にカボのユニットを増設しました。カボと言えば、我々世代では、誰しもが憧れるブランドで、価格の問題から、ユニットは国産でも、タービンだけは、カボを使用したいと考えていた先生もたくさんおられました。カボのユニットを使用してみると、使用感は良く、故障等によるストレスは、国産ユニットに比べありませんでした。これは、世界をターゲットにし、あらゆるテスト、リサーチを行ってきた末に完成した製品の証だと確信し、平成16年に年に、耐用年数を超え故障が頻発するようになった国産M社ユニット1台を廃棄し、カボの1066を導入しました。平成20年に残りの2台を廃棄し、浮気心から外国製C社のユニット2台を導入しました(シートが厚く患者の快適性が良さそう。うがいの水給水が、自動である事から)。その間、予防専用ルームを増設し、国産T社2台を増設し、昨年秋、院内をリニューアルした際、自費専用のインプラント等の外科処置もできる完全個室の部屋にカボE80を導入いたしました。

導入にあたって、様々なメーカーのユニットを触り、今まで使用してきたメーカーの物と比較し、カボのE80に決定いたしました。数ヶ月間使用してきて、最も今の私のニーズに合った物であると確信しました。

ユニットを検討する場合、実際使用しないと本当の利点、欠点はわかりません。まして、初めてのメーカーとなるとなおさらのことです。少しでもユニットを検討されている先生方のお役に立てれば幸いと思い、私見ではありますが、述べさせていただきます。

カボユニットの特徴

カボは、世界一のハンドピースとして定評があり、どのメーカーもカボを手本にまねてきた。そのトップブランドが作る最高のユニットである。

1. 造りが強靭で、デザイン性に優れる。

ユニットも見た目は、非常に大切であると思います。

特に国産メーカーと比較した場合。プラスチックの厚みが厚く、塗装技術が優れているため、経年的劣化による黄ばみが殆ど感じられない。特に最近の機種は、プラスチックのオフホワイトの輝く様な艶が、国産には無い美しさがある。シート、パネルカラ―も豊富で、部屋のカラーに合わせた統一感のあるコーディネートもしやすい。カボユニットは、耐久性にも優れ、故障頻度は非常に少なかった。耐用年数が過ぎたころから、国産ユニットの故障頻度が高くなり、買い換える寸前では、常に代品が付いていた状況だったが、カボは、その記憶があまりない。どうしてもE80を入れたかったので1台をやむなく廃棄したが、まだまだ使用可能な状況だった。

2. モーターは世界一

ブラシレスのマイクロモーターの振動が少なく、音が静かである。ブラシレスのため注油後のハンドピースからのオイルの混入によるモーターの破損が皆無になる。以前使用していたM社のスペースラインは、とにかく修理が多かった。外国製(C社)の物と比較しても明らかにモーター音は静かである。他メーカーも最近、ブラシレスを出してきて入るが、カボのブラシレスの歴史は、一番古く、安心感がある。国産メーカーが、どの程度の長期テストを行っているかが問題である。

他メーカーは、エアーと水が切り離せないため、水を止めればエアーも出なくなる。カボは、エアーのみ出してハンドピースを使用することが可能なので、小児や、老人で水を嫌がる方の治療に、エアーのみを出して、クーリングしながら切削することも可能で、大変助かっている。ENDOの時、レンツロや、オブチュレーションで根充する時もエアー、水を完全にカットできる(チップエアーが出るメーカーもある)。PMTCの時、研磨剤を飛ばさないためにもエアーが出てはいけないが、PMTCが、流行し始めた時、国産メーカーでは、エアーが出てしまうものが非常に多かった。

3.優れたフットコントロール

フットペダルの厚みが薄いため、足が疲れにくい。外国製(C社)の物や国産物は、ペダルの踏み込み量が大きく、ある程度踏み込まなくてはいけないため足が非常に疲れる。この差は、歴然で、最近、年をとり、運動不足で、筋肉が固くなってくると、カボ以外の物は非常につらい。

回転数の調整もフットコントロールで、自由にできるため、僅かに回転を落としたい時(CRの研磨の時など)は楽である。

治療の確認のためにシリンジエアーを使うことがあるが、ハンドピースをもったままで、フットコントロールを踏むだけで、チップエアーを出すことができるので、時間短縮になる。国産メーカーやC社にも同じ機能があるが、エアーの圧が弱い。また、ペダルの厚みがあるため、非常に押しにくく使いにくい。フットペダルを見ながら使用しなければならない。まさしく、人間工学的に良く考えられたシンプルな多機能なデザインであると思う。

4.アシスタントに好評なバキューム

現在、保険診療用のユニットスペースには、口腔外バキュームも設置しているが、マイクロスコープ使用していると邪魔になり使用できない。意外に口腔外バキュームの使用頻度は少なく、かなり患者さんの顔に近づけないとタービンから出た霧状の水は吸引できません。また、レジン等の切削粉も結局は、床に落ちてしまうのが現状です。口腔外バキュームを使用せずとも、排唾管をバキューム代わりにバキュームを口腔外バキュームとして代用する位、カボのバキュームの吸引力が強い。

また、バキューム、排唾管は、手元で、強さを調節できるため、印象採得時ギリギリまで口腔内に入れて、唾液を吸引し、印象材が入る手前で、バキュームを切れば印象材を吸引することなく、操作に余裕が出ます。他メーカーの場合、バキュームを止め、吸引の強さをアシスタントのバキューム手元で調節できないものが多いようです。

どうしても国産のバキュームチップを使用したければ、アダプターで使用可能になります。排唾管の吸引力が、非常に強いため、エンド治療時でも、エンドバキュームを装着すれば、瞬時に根管乾燥可能で、時間短縮につながります。

5.世界一のハンドピース

ハンドピース関係については、他メーカーより、1ランク2ランク上である。

以前、C社、N社、M社のタービンを比較したが、トルク、静音性共に群を抜いていた。特にジェントルサイレンスは、最高に能力が高く、C社の物と比較しても1サイズ小さく、同じ大きさの1サイズ小さい物と比較するとトルクが、比べ物にならなかった。最後臼歯や、開口量の少ない場合の切削には、国産のスーパーミニも併用使用している。

等速、5倍速、減速コントラも非常に故障が少なく、特に、この減速コントラと67LDNの組み合わせは、エンド治療には、欠かせず、この1本で、毎日フル使用をしていますが、平成7年の開業時から、約15年以上一度も修理の経験がありません。C社の等速コントラは、1年で故障し、新品に交換してもらいました。

6.その他

シリンジの角度を変えやすい。C社は、固い。

C社のバキュームから水が漏れるため、専用のグリースをアダプターに塗布しないといけない。面倒である。

E80が優れている点

上記の事に追加して

シートのフットレストの角度を変えて、窪ませた状態から水平に自由に角度を調整できるため、体の大きさ、男女関係なく体にフイットさせる事が可能である。この機能は、E80にしか無く、長時間の治療時にも患者さんの腰の負担をかなり軽減してくれる。治療の合間に僅かに角度を変えてあげたりしてあげるとより楽な様である。

ユニットの高さ調整の上下幅が350ミリから900ミリと大きいため、立位でも水平位でも治療可能である。T社の物は、カボの様に高さが上げられず、オペの時、術者が、座位でないと治療がしにくい。

C社に比べてシートの厚みが薄く、サスペンダー式のため、さらに足元の自由性が向上し、膝が当たらない。最近、患者の快適性を重用しするあまり、シートの厚さを厚くする傾向があるが、その代償として、術者の足下にしわ寄せがくる事は、あまり知られていない。C社の厚いシートは、バックレストに術者の足が当たり、それを避けるためには、術者の椅子の高さを上げないといけない。使用してみて初めて気づいた点である。1066は、若干シートが固いので、テンピュールを敷いていますが、テンピュールを敷くとせっかくの綺麗なシートが野暮ったくなります。このE80は、以前より、クッション性もかなり向上しているため、ユニットにテンピュール等のクッションシートを敷く必要性はなくなっています。

そして最大の特徴は、治療ポジションを水平移動できるため、マイクロスコープと干渉しない位置をメモリーできることである。マイクロ使用していると、アシスタントワークエリアが非常に狭くなることを実感している先生は多いのではないでしようか?

インプラントオペ時、カートに乗せたインプラントモーターやピエゾを配置し、外科器具等を並べると処置時とても邪魔になる時がある。E80は、カボSL-550外科用モーターをワンタッチで接続できるため、瞬時に外科用ユニットになる。また、専用の外科テーブルを使用すれば、無駄なカートを置く必要がなくなり、スペースを有効利用できる。まさしく、インプラントオペ、マイクロ治療共に適したユニットであると思う。

スプラッソンP-MAXは、ペリオやエンド治療には、有力な機械で、使用している先生も非常に多いと思います。カートやキャビネットに設置してハンドピースのみをハンガーに掛ける事が可能なため非常に助かる。今使用中の物をそのまま使用する事が可能なため、故障時や、買い換え時にも経済的である。

シートもクッション性に優れてはいるが、オプションのマグネット式テンピュール枕(カボが作らした)を使用すれば、さらに快適性は上がる。

患者のコップの水の自動給水機能がある。

以上、他にも様々な工夫、特徴のあるユニットで、細かなユーザーの要望に答えた世界の名品と呼ぶにふさわしいユニットがこの最上位機種E80であると思う。

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